-電動力部隊-

Episode 3

 

 飽きることなく、毎日働き続け、節約し続けた彼らには大量の貯金ができた。今回の強化は、攻撃力重視だ。手のひらから2本の短い伝導率の高い金属板が出るようにした。その2本には高電圧がかかるようになっている。これをうけた怪獣は高電圧による大ダメージを食らうはずである。この手を「エレクトリックハンド」とした(注:この隊にネーミングセンスはない)。しかし、今回の出費は大きかった。右・左手のひらの工事費、高電圧をかけるためのバッテリーなどの部品、太い電線。だが、隊員たちはグレードアップした「シャインエコアース」の大きな活躍に期待するのであった。
 再び街に怪獣が現れたとの連絡が入る。今度の敵は皮膚が非常に硬く、機関銃がきかないとのこと。しかし、「シャインエコアース」のパンチ力ならなんとかなるはずと、電動力部隊は出撃した。
 隊員たちはだいぶ体力が増え、「シャインエコアース」に何度パンチさせても息がきれることはなくなった。だが、今回の相手はいつもとは違った。精魂込めたパンチを何度も与えても怪獣はピンピンしている。「まずい、みなの体力が限界に近づいている・・。」 隊長は最近装備した右手の「エレクトリックハンド」で攻撃することを指示した。どよめく隊員たち。隊員A:「隊長、お言葉ですが、あれはまだテスト段階で、まだ実践投入はまだ早いかと・・。」。隊長:「しかし、勝つためにはそれしかなかろう!」。隊員たちがいっせいに自転車をこぎ始める。「シャインエコアース」の手にある充電器の中に電力が蓄えられていく。充電中、怪獣の攻撃はガードで耐え抜く。

 充電完了! 右手の手のひらから金属板が飛び出る。「よし! そのまま、ヤツの心臓めがけて差し込め!」の隊長の合図で、ストレートパンチの要領で金属板を怪獣の胸に差し込んだ。「放電開始!」で、全員自転車をフルにこぎ始めた。怪獣が倒れるのが先か、それとも電力供給が間に合わず負けてしまうのか・・。
 隊員たちはひたすらに自転車をこぎ続ける中、今までの記憶が走馬灯のようによみがえってきた。みなと必死に働き、笑い、励ましあい、そして涙し、たまにはけんかもしたが結局仲直りした記憶・・。みな:「ここまでなのか・・・・・・・・、いや、まだみんなとこの隊で世界を守りたい!」 みなが雄たけび、「エレクトリックハンド」の電圧が上がった! うめく怪獣。電気に妙な熱さと未知なクサさを感じた怪獣はとうとう心不全で倒れた。
 今回はボーナスが高かった。みなは、お互いの無事とこれからのがんばりに期待し、祝勝会にボーナスをちょっとばかし奮発した。また、明日からバイトである。今回の戦闘で余った電力は、コピー機を10分動かす程度である。

 

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