-地球防衛隊沖ノ鳥島支部長-

Episode 1

 

 地球防衛隊沖ノ鳥島支部長、通称「ビッグハート」は、一人気ままに太平洋の海を眺めていた。
 晴れ渡る空、水平線が見える海。のどかで、時間にもとらわれることなく、優雅に過ごす日々・・・。誰もがうらやましく思える「ビッグハート」の生活にはただ一つ問題があった。食事である。毎日、魚、魚、魚・・・。何かの音程が頭に浮かぶようなぐらいに魚を食べ続けている「ビッグハート」。しかも、なんかまずい。
 水中を泳ぐ魚を、本部から提供されたレーザーガンでしとめる。皮肉にも射的の腕だけがめきめき上がる。満腹感がまったく得られない。たまに、空を飛ぶ渡り鳥を、上達した射撃の腕でしとめる。レーザが届かないなら巨大化して、必殺技でしとめる。空を飛ぶ鳥をみた彼の体は異常なまでに機敏である。
 精神的・肉体的にもストレスがピークを迎えている「ビッグハート」の地球防衛隊専用通信機に怪獣が沖ノ鳥島付近にいるとの連絡が入る。「そういや、近くにでっかい島が流れてきてたような・・・」。その島こそが怪獣で、「ビッグハート」は怪獣よりも魚、いや、鳥を探すのに夢中で気づかなかったのだ。
 怪獣は仰向けで海に浮かんで気持ちよさそうに寝ているようだった。「ビッグハート」は、怪獣がなんでそんな気持ちよさそうにしているのだろうと、ふと怪獣の腹を見ると、異常に膨らんでいるのがわかった。「まさか・・」と思った「ビッグハート」のカンは正しかった。ゲップした怪獣の口から、魚がでてきた。よく見ると、鳥の羽まででてきた。
 「・・・、魚・・・、しかも、鳥まで・・・」。とてつもない殺意に燃えた「ビッグハート」は、すぐに巨大化した。巨大化したあと、健やかに寝ていた怪獣の頭をつかみ、怪獣をぶんぶん振り回したり、海にたたきつけたりして、怪獣を瀕死の状態にさせた。「きさまがなあ・・・・、ハァハァ・・・、そんなになあ・・・・、ハァハァ・・・、魚や鳥を食べるとなあああああっ」。叫び声とともに「ビッグハート」のオーラが異様なまでにあわただしくなり、それに押されて怯む怪獣。「貴様あああああ、羽もないくせに、あんな高いところにいる鳥をどうやって食べたんだよ。ゴ━━━━(# ゚Д゚)━━━━ルァ!!」のツッコミと同時に「ビッグハート」は必殺技を炸裂させた。怪獣は粉砕した。
 怪獣を倒したことで、本部からボーナスがでて、うれしいようなうれしくないような「ビッグハート」。しかし、「ビッグハート」はひらめいた。なぜこんなことに気づかなかったと自分を嘲笑しながらも、さっそくそれを実行する・・・・。

 

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