-電動力部隊-

Episode 1

 

 電気で動く、究極のエコ巨大ロボ。その名も「シャインエコアース」。この部隊のネーミングセンスはないに等しい。「シャインエコアース」のエネルギー源である電気はすべて隊員の踏ん張り次第である。隊員は「シャインエコアース」のに乗り込み自転車をこぐことで電力を稼ぐ。「シャインエコアース」の各部分で隊員が自転車をこぎ、「シャインエコアース」を動かすのだ。「シャインエコアース」は太陽の恩恵も逃さないようにするためソーラーパネルも装備。隊長の指示と隊員の忍耐力が怪獣との勝敗を決める。まさに、電動力部隊の団結力が重要なポイントなのだ。
 団結力を高めるため、そして、「シャインエコアース」の強化・維持のため、彼らは連日アルバイトを一緒にすることを欠かさない。そして何より、彼らの辞書には「苦労」という言葉がないのだ。お互いに励ましあい、汗と涙でお互いを高めあっていく。熱い心で満ち溢れた生活が彼らの生活なのだ。
 街に怪獣が現れた。どうやら、特殊能力のない標準的な打撃系の怪獣のようだ。だが、まだ打撃攻撃しか備えていない「シャインエコアース」にとってその怪獣は難敵である。しかし、今一番速く出撃できるのは電動力部隊だけ! いざ、起動だ! 隊員全員が自転車をフルでこぐ。怪獣の元へ急がねば! まず、右足から。右足担当の隊員がフルでこいで、操縦士が重心を考慮し前へ動かす。重心を取る際、右足以外の担当の隊員も電力を供給し、ある程度稼動できるようにしなければならない。次は左足。その次は右足・・・。ただ移動するだけでも、「シャインエコアース」内で隊員たちは汗だくである。
 ようやく怪獣の元に到着。怪獣が「シャインエコアース」に気づく。隊長の「すかさずパンチだ!」の命令で、まず左足担当の隊員がひたすら自転車をこぐ。次に、腰担当の隊員が自転車を猛烈にこぐ。そして、右手担当と右足担当と腰担当の隊員が叫びながらこぐ。そして、「シャインエコアース」の右手ストレートの完成!
 「シャインエコアース」のゆっくりした動きに気をとられていた怪獣は思わぬ攻撃にクリティカルヒットをくらった。ふっとぶ怪獣。「シャインエコアース」内の気温は30度をこした。怪獣はすぐさま起き上がり、「シャインエコアース」に突進。よける間もなく、ふっとぶ「シャインエコアース」。隊員に強い衝撃! そして、機体に亀裂が! 機体内温度は35度に達した。「このままでは殴られ放題で負けてしまう」と思った隊長はすぐさま起き上がりストレートパンチを打つように指示した。
 怪獣も急所を食らい動きが鈍い。怪獣のさっきの突進はまぐれだったのだろう。チャンスだ! 体力ギリギリの隊員たちが力を振り絞り自転車をこぐ。高温の機内で汗だくになるも顔を真っ赤にしてこぐ・・。そして、体勢が整った! 「ハートブレイクショットぉぉぉぉぉっ!」と全員声をそろえて叫んだ。見事怪獣の心臓にヒット! 倒れる怪獣。もう息がない。「シャインエコアース」は見事に勝利したのだ! 見事な勝利に雄たけびを上げる隊員たち。お互いに無事を確かめ合い、抱き合って泣きあう。彼らは感動しているのだ。
 怪獣の遺体などは地球防衛隊が片付けた。そして、電動力部隊はボーナスをもらった。「また『シャインエコアース』の強化ができるぞ!」と喜ぶ隊員たち。ちなみに、今回の戦闘で余った電力は民家2件分(1日)。

 

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